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12cm~越えられない距離~

第7章 球技大会で

「あ、繚!!いたいた」

ノブちゃんが手を振りながら駆け寄ってきて、真央が居るのに気付くと

「あれ!?真央ちゃん試合は!?」

「一勝して、次の試合待ち。そっちは?」

「見事に予選落ち~」

わははと笑いながら告げた。

「繚は?」

「俺が勝てると思うのか!?」

「いや、でも万が一って事もあるし」

「万でも億でもないだろーが」

苦笑いを浮かべて言うと、真央が

「でもすっごく頑張ってたの!!」

とノブちゃんに力説し始めた。

「え。真央ちゃん、繚の応援してたの?」

「あ…うん」

「俺はいいって言ったんだけどな」

「へぇ…いいなぁ」

ノブちゃんはため息混じりに呟くと、

「あ、じゃあ、真央ちゃんの応援するよ!!試合いつから?」

と真央に腕時計を見せた。

「あ…そろそろ体育館戻った方がいいかな」

「じゃあ俺も一緒に行く~。繚も行くだろ?」

あ、その目。

付いてこいって事かよ!?…ったく。

「…意気地無し」

「え!?」

「いや、行く気だし、って言ったんだよ」

俺はノブちゃんの背中を叩いて

「ほら、行くぞ」

と歩き始めた。

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