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12cm~越えられない距離~

第7章 球技大会で

「何者って何よ~!?」

「バスケ部のエースって知ってんだろ!?」

それは知ってるけど!!

コートの中のアキを目で追えば、パスを回しながら相手側に攻めている所で。

3ポイント取れる位置でシュートしようとして、シュート体勢に入る前に相手のディフェンスに阻まれた。

カットされたボールがコートの外に転がる。

あぁ~、とため息まじりの声が上がった。

「根本先輩ー!!」

「アキ様ファイトー!!」

だから、『様』って何だよ!?

「あの子達はね、アキのファン」

笑いを噛み殺しつつ、真央が教えてくれた。

「ファン!?」

「よく試合とか見に来るよ。…うーん、あとは…部の後輩もいるかな?」

「へぇ…」

期待、されまくりじゃん。すげーな。

審判がホイッスルを鳴らし、コートチェンジを指示する。

前半終了か。

得点を確認したら、10対15。

「あれ!?負けてるんだ」

「だって相手、カナメ先輩のクラスだもん。シノ先輩とノリコ先輩もいるし」

うげっ!?5人中3人バスケ部のメンバーかよ。

うちのクラスはバスケ部はアキ一人。

そりゃあ苦戦するわな。

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