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12cm~越えられない距離~

第7章 球技大会で

「ねぇ!!アキに声援送ろう!!」

真央が俺たちに提案した。

ノブちゃんはこういう事好きだもんな。

見れば、一も二もなく応じそうな勢いで頷いていた。

真央に頼まれたからか?…分かりやすい奴。

俺も乗ると、真央が

「じゃあ、『頑張れ、アキ』でね」

といい、掛け声も合わせて言うことになる。…と

「あ、真央ちゃん」

ノブちゃんが真央に耳打ちして、二人で微笑みあった。

お!?何だ?

俺の視線に、ノブちゃんはニッと笑うと

「それじゃ、いくぞ。せーの」

「「「がんばれー!!」」」

「アキー!!」

言ってから、気付く。

二人とも「頑張れ」だけで、名前呼んだのは俺だけだった!

「おっ…お前らっ!!」

ノブちゃん達を見る前に、視線を感じて振り向くと。

観客席の、特にアキのファンだって子達がこっちを向いている。

え!?何だ、その視線。

焦って顔を反対に向けると、コートに立つアキと目があった。

『何?』って問いかけてるような、意外そうな表情を浮かべてる。

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