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12cm~越えられない距離~

第9章 絵を描く、という事

部室を出たものの、特にあてもなく…

さーて、どこに行こうか。

校舎から出て、辺りをぐるりと見渡す。

グラウンドでは野球部が守備練習をしていて、片隅で陸上部がハードル走をしていた。

今日みたいに雲1つない天気の中、よく頑張れるよな。

とてもじゃないけど、ここで絵を描く気にはなれないな。

外よりましだし…あっち行ってみるか。

俺はそんな単純な理由で、体育館に向かった。




体育館ではバスケ部が男女に別れて練習をしていた。

邪魔にならないように、二階の観客席で 、練習を見る。

何の気なしに見ていたつもり…なのに、いつの間にかアキを見ている事に気付いた。

長い腕をピンと伸ばしてシュートしている姿が、この前の球技大会の時とシンクロする。

やっぱり、フォーム綺麗だよな…。

ゴールを見据える姿も…上から見えない糸で吊るされているんだろうか!?

そんな事を思うほどに、ブレず、真っ直ぐにシュートをしていた。

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