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12cm~越えられない距離~

第9章 絵を描く、という事

「そんなの務まらないよ!!」

「大丈夫。そんな難しい話じゃないし」

すると、真央が

「どうかしたの~?」と、間に入ってきた。

「アキにモデルになって欲しくて」

「へぇー!!アキ、やれば!?」

真央の思わぬ後押しに、アキがえぇっ!?と声を上げる。

「繚平くんもアキに目をつけるなんてさすがだね。なんせうちの希望の星なんだから!!」

「全然そんなじゃないから!!」

アキが慌てて否定する。

「それにまだ引き受けた訳じゃ…」

「繚平くんなら変な事にならないから大丈夫だよ!!」

「変な事って何だよ!?」

思わず突っ込みをいれてアキを見れば、眉を寄せて頬を赤くしていた。

「アキ…そんなに嫌か?ボール持った手とか見せて欲しいだけなんだけど」

「え?…それだけ!?」

「間近で見ないと、手の筋とか分からなくて」

俺の言葉にアキは自分の手を凝視し、真央は

「…なぁんだ。つまんないの」

と肩を竦めて戻っていった。

「何だよ、あいつ」

真央を見て呟いた俺に、

「本当…何なんだろうね」

とアキが呟いた…。

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