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だぶるラブ! 僕の周りは花盛り

第2章 キミを見ている

「もしもし」
 笹木が電話に出た。

 「会長!どこに居るんですか!」
 電話のスピーカーから手毬の怒鳴り声が聞える。

「校門だけど…」
 急いで渡り廊下に戻ろうと走る。

 「また、ふらちな行動をしたんでしょ!」
 手毬の怒鳴り声が携帯から聞える。

「ふらちって…」
 言い訳を考えながら、渡り廊下に戻ると、ホールに入るための階段で携帯片手に仁王立ちしている手毬が見えるた。

「あ、手毬…」
 携帯を耳に付けた固まる笹木。

「先ほど、連絡がありましたが……あれは誤解をうむので『しないように』といつも言っているのに…」
 手毬は、鬼の形相で近づいて来る。

 手毬は学校内の情報を収集するのが早い。

「あの挨拶?ってこれの事?」
 笹木はスッと手毬に近づいて、チュっと音を立てて手毬の頬にキスをした。

「!!」
 手毬は、青い顔して後ずさりする。

「高校生がキスくらいで動揺しすぎ!」
 ふふと笑う笹木。

「あなたって人は…(怒)」
 これでもかとばかりに手でゴシゴシと頬を擦る手毬の額には怒りマークが出ている。

「外国では、頬にキスは性別関係なく子供だってするよ」

「ココは日本です!いったい何考えて…」
 手毬は、ギャンギャン抗議する。

「聞こえません!わぁーわわわぁぁ」
 笹木は耳を両手で押さえて、パタパタする。

「はーはー…全く…」
 手毬は諦めてため息をする。

(ふふ。やっぱり手毬は黒チワワみたいでかわいい)
 手毬の顔をチワワと重ねてニコニコする笹木。

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