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だぶるラブ! 僕の周りは花盛り

第3章 これで、学園の一員

「みんな、これを見て!」」
 正面のボードにカードの説明映像が映し出されている。


「わが学園の高等科からは学生証がこのカード式になります」
 壇上のスクリーンに七色に輝く加工されたポップなカードが映される。

(か、かわい過ぎないか?高校生が持つカードとしては、抵抗があるかも…)
 俊季は少し引き気味。

 他の生徒はカードより会長や生徒会の生徒たちを見ている。


「学園運営の施設の利用許可証でもありますので、毎日携帯せてください」

「ここが図書館。ここが音楽堂です」
 映像が地図に変わる。

「他にも、このカードには公共交通機関の運賃支払いにも使える電子マネーのRru(アルル)や、系列の病院に受診する際の診察券としても使えるマルチカードです」
 説明をしている男子生徒の鼻息が荒い。


(さすが、虹の丘学園…)
 俊季は正面を見ている。


「中学時代のカードは交換します。手続きの時提示してください」
 笹木がカードを出して笑う。


(なんのカードたろう…)
 俊季は持っていない。


「君は持ってないよ」
 笹木会長が俊季の方に降りてくる。

(キラキラが近づいてきた!)
 俊季は何も言えず、ただ、座っていた。

「このカードはね。葉多地域に住む中学生に学園の生徒じゃなくても、図書館や音楽堂を使える用に無償でくれるんだ。学園って本当に太っ腹だよね」
 カードを人差し指と中指に挟んでポーズを取る笹木会長。

「中学生に無償…」
 俊季は学園の器の大きさを考えていた。


 ココに居る生徒はほとんどカードを持っていた。

「ふふ」
 笹木会長は笑顔で壇上に戻る。


(どうして、僕が持ってないってわかったんだろう…)
 俊季が不思議そうな顔をする。

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