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「先生。よろしくお願いします」
　女子生徒がマイクを先生に渡す。
　

「新入生のみなさん入学おめでとう」
　マイクを渡された先生は、茶色紙束を手に取って話し始めた。

　生徒たちはバラバラだが頭を下げている。


「この封筒には個人情報が書かれています。
カードの説明の時に聞いたと思いますが、わが校のカードはRru（アルル）が入っているから、間違って無いかきちんと確認してください。
確認ができしだいデータをパソコンに入力します」
　先生が横に置いてある長机の横に立つ生徒のほうに注目を振る。

　ノートパソコンを広げていた生徒が一斉に立ち上がり頭を下げる。

「配布する書類の中に詳しい場所や利用規約などは記載していますので、よく読んで置いてください」

「それでは個人データを渡します。予め、こちらで仮入力してあるから、中身を確認して訂正のところがなかったら、そのまま生徒会に提出してください。
呼ばれた者から、順番に前に出てきてください」

　生徒たちがザワザワし始める。

「カードの有効期限は一年間です。再発行はできますが、反省文を山ほど書かせますので、大事にしてください！」
　先生はニヤリと笑う。

「それでは、相沢　優」
　先生名簿を読み始めた。

「はい！」
　名前を呼ばれた生徒は、壇上に上がり、先生から茶色い封筒を貰っていた。


・・…

・・…
　次々と生徒たちが呼ばれる。

　呼ばれるのは男女混合のアイウエオ順。


（アイウエオ順か久しぶりで新鮮だな…）
　俊季は、日本語で名前を呼ばれているのを、目を閉じて聞いていた。