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だぶるラブ! 僕の周りは花盛り

第5章 兄の背中を追って

 「みんな、これを見て!」」
 正面のボードの映像の前で話す結真。

(かっこいい…)
 女子生徒の言葉を聞くと、ウキウキした気持ちを抑えながら、壇上の裏に向かって遠回りをしていく錬馬。


「わが学園の高等科からは学生証がこのカード式になります」
 壇上のスクリーンに七色に輝く加工されたポップなカードが映される。


(カード…やっと、兄さんと同じカードが持てる!裏の柄は、兄さんが描いた明るいカード♪



 他の生徒はカードより会長や生徒会の生徒たちを見ている。


 映像が地図に変わる。

「…のRru(アルル)や、系列……診察券としても使えるマルチカードです」
 説明をしている男子生徒の鼻息が荒い。


(鼻息荒くなってますよ!)
 歩きながら、つっこみをいれる錬馬。



「中学時代のカードは交換します。手続きの時提示してください」
 結真がカードを出して笑う顔が画面に映し出されている。

(スマイルアップ♪カメラ!カメラ!)
 ズボンのポケットからスマホを出して、大画面をパシッパシッと移している。


「君は… …っないよ」
 結真が壇上から座席に降りてくる。


(兄さんが降りてくる?誰だ?誰と話しているんだ…)
 錬馬が身を乗り出して確認する。


 生徒は何も言えず、ただ、座っていた。

(あいつ!兄さんが話しかけているのに、座ったままだと!無礼な奴だ!)


「このカードはね……っ…学園って本当に太っ腹だよね」
 カードを人差し指と中指に挟んでポーズを取る笹木会長。

 生徒は、ほーっと見上げている。

(あ!俺の前にたったチビ!兄さんがあんなに笑顔で話しやがって!)

 結真は笑顔で壇上に戻る。

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