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だぶるラブ! 僕の周りは花盛り

第5章 兄の背中を追って

「笹木錬馬くん。探しましたよ」
 後ろから、男子生徒が話かてきた。

「あ゙あ゛ん!」
 感情的な返事をしながら振り向く錬馬。


「あ、副会長様!」
 座っていた女子生徒たちは急いで『副会長』と呼んだ生徒の方に走る。


「……ハイハイ…」
 その態度に微動だにせず、錬馬の前に立つ男子生徒。


 彼は副会長の手毬良太。


「笹木くん。先達て『壇上裏に来るように』伝達したつもりだったけど、伝言は聞いているかな?」
 小柄で黒髪の手毬は笑顔で質問する。


「!!…ぁ」
 その言葉を聞いて、焦る錬馬。

(しまった…兄さんの所に行く途中だった)

「伝言は伝わっているようですね…さ、一緒に来て…」
 手鞠が軽く錬馬の背中を押す。

「なんだよ!背中触るな!」
 その手をはらう錬馬。


 キョトンとする手毬。

 そして、その顔のまま、はらわれた手をジッと見ている。

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