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だぶるラブ! 僕の周りは花盛り

第6章  副会長の苦悩

 校舎から、入学式を行う講堂に向かって渡り廊下を歩いている笹木と手毬。

「笹木。今日の来賓の人は、普通でよかったな」
 手毬は、来賓の名簿リストのページを進めながら、進んでいる。

「手毬の普通の基準がわからないよ、僕にとっては、どんな時の来賓も素晴らしい人だと思うよ」
 笹木は歴代の来客を思い出している。


「………それは……おめでたい…」
(この人じゃ気が付かないんだよ。人間、外観を着飾りだしたら、中身は黒くなってくるんだよ)
 あきれたような顔の手毬。

その二人の間に、校門の桜の花びらが風に乗って飛んできた。

「桜の花びら…」
 笹木は足を止め、校門の方を見る。




「ふふ、真新しい制服だぁ…」
 新入生が続々校門を通って登校してくるのを見て笑う。


「…あの子…」
 校門の所に立っている新入生に釘付けになる。


「あ、今年の招待状生徒の事なんですが…」
 手毬がタブレットから目をあげ、前を歩いているはずの笹木に声をかける。

「あれ?笹木?」

 笹木がいない。


「笹木!!どこ行った!」

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