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不器用なくちびる

第10章 別離

次の日、栞が登校すると担任の高橋先生
から職員室に呼び出されていた。

高橋先生…学校を辞めることを
ギリギリまで人に知られたくない
っていう私の希望を、
心配しながらも聞き入れてくれた人…


「失礼します」


職員室の高橋先生の机の隣には
音楽の先生と…

なんと吉井くんが立っていた。


「!!!」


どうしよう!…最接近かも///


「あのな〜香山。
今井が昨日手にケガしたらしくて…
文化祭までもう2週間切ったし
是非、伴奏をお前に頼みたいんだ。」


「え…」


春菜ちゃん…大丈夫かな…

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