テキストサイズ

不器用なくちびる

第12章 再会

「うふふ、法律の知識は
ここでもすごく役立つから
相談には引き続き乗ってもらうつもり。

…そろそろ来るかな?

あ、週末、ひ孫の顔見せろって
うるさいから、日帰りで萌々と2人で
田舎に帰ってたのよ〜
その時のおみやげ、食べて?」


「ありがとうございます!
私、お茶いれ直しますね。」


…あれ?これって…
島に渡る本土の港の近くの名物だ。


心臓がドキドキと暴れ出す。

えっと…えっと…
考えがまとまらない。

お姉さんの影響で
ピアノが好きだった橘くん。
音大の卒業生で弟がいる葉子先輩…

まさか…ね…

その時
私の背後でガチャッとドアが開いた。


「姉ちゃん悪い、ちょっと遅れた。」


深みのある優しい声…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ