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不器用なくちびる

第12章 再会

間違いない。
振り向かなくってもわかる。


私がずっと会いたかった人…



「橘くん…」



振り返ると、私は優しい瞳の彼に
走り寄り、思い切り抱きついていた。

古いつくりの事務所の入口に
頭を下げて少し窮屈そうに入ってくる
スラリと背の高い身体。

弁護士事務所の帰りなのか
渋いスーツをしっかり着こなしていて
すごくカッコイイ…

橘くん…
素敵になったね。


「…香山…!」


橘くんは私の背中に腕を回し
一瞬だけど
2人はきつくきつく抱きしめあった。

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