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不器用なくちびる

第16章 贖罪

じりじりと柱の影に移動させられる
けど、みんな忙しくて気付かない。
波多野はニヤニヤしながら、
ワンピースの肩ひもを指でいじり囁く…


「そんな露出してまた男誘ってんの?
思い出すなぁ〜お前の乳首の色…
あとかわいいワレメは
中坊のくせして…」


その時。


「栞っ?!あと…波多野っ?!」


春菜ちゃんだ!
私は弾かれたように走った。

走って…走って…

もう何もわからない…

息ができない…


「栞っ!待って!
ちょっと!!栞に何したのよっ!」


波多野に詰め寄る春菜の
すぐ後ろから突然声がした。


『こいつは俺に任せて
お前は香山探しに行けよ。』


「「あ、あんたは…!!」」

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