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不器用なくちびる

第16章 贖罪

その時。


バシーーーン!!


橘の目の前で、
春菜が瑞希の頬を殴っていた。


「あ〜橘、ごめんっ!
思わず手が…
何とかフォローよろしくっ!」


言うが早いか春菜は2人を残し
栞を探しに走って行ってしまった。


「あの女…!許せない!
栞ちゃんがどうなってもいいのね…
私の電話一本で栞ちゃんの人生なんて
すぐに壊せるんだから…!」


「瑞希…
波多野もお前が呼んだんだよな?
どうしてそこまでするんだ…?
俺には全く理解できないよ。
…俺のことなんてもう
関係なくなってるんじゃないのか?」

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