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不器用なくちびる

第4章 二人

そして土曜日の授業も無事終わった。

もちろんあの事は忘れてないけど…
現実逃避??
本当にこのまま過ごしていけるような
気がしていた。

だけど…
家に帰ろうと校門を出た途端。
立っている人影を見て足が一歩も
出なくなった。


椎名だ…!!


動けない私を見て、怖いくらい
キレイな笑顔で近づいてくる。


「お前にかまってる暇なくて…
待たせたな。」


耳もとで囁くその低い声は私を
あの時の恐怖で麻痺させるには充分で…

私は腕を掴まれ椎名の家まで
連れていかれてしまった。

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