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不器用なくちびる

第7章 願い

「いや…大丈夫。
すげーいいところだな。」


「でしょ?いろいろ案内してあげる。」


香山の全てに
俺はドキドキしっぱなしだった。

まず、香山が俺をどうしても
連れて行きたいと言ったのは、
幸せになれるという
ジンクスのある灯台だった。


「こういう石にね、
お願いごとを書いて積むんだよ。
恋人同士で書いて積み重ねるのが
ほんとは有名みたいだけど…
友達同士でも大丈夫♪」


「いかにも女子が好きそうだな」


と思わず言うと、香山はぷーっと膨れた

気を取り直して二人でそれぞれ
願いごとを書き、
見えないように下向きにして重ねる…

俺は照れ臭かったから
さっきあんな風に言ってしまたけど、
本当は心から願っていることがある。
それを書いたんだ。

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