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不器用なくちびる

第8章 策略

「だだだだって…
さっき波田野と手を繋いで歩いてたし、
椎名の家に何度も何度も行ってたし!
それに橘と夏やす…」


「待て!俺のことはどうでもいい。
波田野と椎名…
椎名の家って…いつの話だよ…⁈」


「6月くらいから夏休み前も…
ずっとだよ…」


「…ヤバいかもしれないな…
お前どっち行ったか見たか⁈」


「わ…わかんない。
でも同意の上ってことも…」


「絶対ねぇよ!
そいつらとだけは絶対に…
それに香山がそういう奴じゃない
ってお前もわかるだろ!
友達なんだろ⁈」


そう…私はつまんない嫉妬に振り回され
て見ないようにしてただけだ。
栞のこと信用できないって思って。

だけどほんとの嘘つきは…私の方だ…

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