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不器用なくちびる

第8章 策略

「ご…ごめっ…ふぇ〜ん…栞〜!」


「泣くなよ…急げば間に合うから!
とりあえず学校で会おう。」


私と橘は学校で合流し、
一緒に栞をあちこち探して回った。


「あれから波田野に
何度か電話してみたけど出ねぇな…」


「栞の方もダメ…
波田野の家も留守みたいだし…
どこに行けばいいの…?栞ぃ〜」


「あの…さ…
椎名の家に出入りしてたのって…
絶対香山なの?」


「間違いないよ!何度も見たし…
椎名が学校休んだ日とかも…
週に何度か。」


橘の顔が苦しそうに歪む。


「…椎名がいれば
何かわかるかも知れねぇけど…
鑑別入ってるって本当なんだよな?」


「うん…そろそろ戻るらしいんだけど
何日かとかまでは…」


どうしたらいいの…

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