溺れる愛
第7章 勉強
涙目になりながら那津の顔を見ると
そこにはやはりいつもの冷徹な微笑があって
(なんでこんな事するの…!)
目で訴えかけるも、知った風ではないという態度。
「…芽依?聞いてる?」
『あ…ごめん、なさ…っ…ちょっと、電波が…っ』
くちゅっと芽依の甘い蜜を掬う音がして
那津はわざとその音を芽依に聴かせる様に秘部を擦る。
(───!!だめ…ほんとに…っ)
「そうだね。さっきから途切れ途切れだし…。
こんな時間に本当ごめんね。また明日ゆっくり話そう」
『…っ…はい…』
やっとこの状況から解放されると
心の中で安堵の溜め息を零した途端
那津の指が一番敏感な蕾を弾いた。
『───ひっ…!』
思わず大声を上げてしまいそうになるも
すぐ横から那津の手が伸びてきて、そのまま強引に唇で塞がれる。
(先輩と…電話してるのに…!邪魔しないでよ…っ)
「じゃあまた明日。おやすみ」
受話器からは優しい声。
なのに自分は那津に弄ばれていて
なんだか悪いことをしている気分になる。
那津の唇がタイミングよく離されて
『おやすみ、なさい…』
なんとか返事をして通話を終える事が出来た。
「お前、声出すなっつったろ」
那津の意地悪な囁きに、心底腹が立つ。
『もう!なんでこんな事するの!?せっかく先輩からの電話だったのに…!』
「──だからだよ」