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溺れる愛

第11章 結合





波瑠がとってくれた部屋は割と広くて
そこから覗く景色はなかなかの物だった。


部屋の隅に荷物を置きながら固まっていると
那津が中央に置かれたソファに腰掛けて
その机にノートパソコンを開いた。



「先に風呂でも入れば?」



『………』



確かに、一日潮風に当てられて髪の毛はキシキシするし肌もベタついていた。



「別に覗いたりしねーよ」



『……絶対近寄らないで』



芽依は鞄からコスメと着替えを取り出して
そのままバスルームへと向かった。



(どうしよう…こんなことがもし先輩にバレたら…)



先ほどの那津の言葉が頭を占めている。


─────浮気─────


付き合ってまだ日が浅いのに、他の男と同じ部屋で3日間も過ごすなんて
しかもキスまでされて…
はたから見れば明らかな浮気行為だ。


(だけど…私が好きなのは先輩だけ……)



俊哉の優しい笑顔を思い出して胸が締め付けられる様だった。


熱いシャワーを頭から浴びて、今日一日の汚れを流す。


それと一緒に、心の靄も流してしまいたかった。



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