溺れる愛
第11章 結合
那津の言うとおり、最初に嘘をついてこの海へ来ている。
そしてそこでキスまでされて、こうして同じ部屋に泊まっている。
『もう…遅いの…?』
涙声に話す芽依を、那津は冷めた声で
「あぁ。ま、嫌われたいなら言えば?」
と突き放した。
『…嫌われたくない……』
「じゃあ黙って俺に従え。割り切って考えろよ」
そのまま那津の唇が耳朶に触れる。
『…っ』
ピクッと身体が反応してしまうことが更に悔しくて
芽依は唇を噛みしめた。
「彼氏は彼氏。俺はただの主人。
そう割り切ってお前はただよがってたらいいんだよ」
(…そんなの……)
『…無理だよ……そんな事…出来ない…』
「そのうち出来るようになるって。
ほら…その証拠に、お前の身体は正直だぞ?」
那津がペロリと耳を舐め上げて
またビクッと身体が震える。
『…違っ…いや…』
「違わねーよ」
そのまま手が胸に触れて、その頂を押しつけるように擦られる。
『んっ…や…』
「ほら…いい声出てきた…」
耳元で囁かれる声に、全身がぞくりと粟立つ。
(嫌なのに…!どうして…!)
自分の意志とは裏腹に、身体は敏感に那津に反応してしまう。
それが混乱と恐怖を煽るが、頭が那津の言葉に支配されていく。
「俺に溺れろよ…芽依…」
『あっ…ん…!』
那津の手はそのまま服の中へと侵入してきて
直接芽依の肌に触れた。