テキストサイズ

溺れる愛

第11章 結合




そして、那津自身もTシャツを脱ぎ、露わになったその身体に一瞬目を奪われてしまった。



(……かっこいい…)



着痩せするタイプで、その中には
程よく筋肉のついた男の逞しい身体。

贅肉一つついていない綺麗な肉体美。
色も白すぎず黒すぎず、初めて見る男の裸体に
そのあまりの迫力に恥じらいがこみ上げてくる。



「なに…?見とれてる?」


那津の言葉に、自分がまじまじと凝視していた事実に気付いて
咄嗟に顔を横にして目を逸らした。


『なっ…違う…っ』



(やだ…私何考えてるの…先輩がいるのに…)



「…芽依」


すると、耳元で囁かれた自分の名前に
その声だけで感じてしまう。



『んっ…なに…』


「触りたい?俺の身体」



図星だった。

その立派な腹筋に少し触れてみたくなっていた。
自分はそんなに物欲しそうな目で見てたのかと思うと更に羞恥心が煽られる。



『そんなの…っ』


「いいよ、触っても。ほら」



そっと手を取られ、そのまま那津の胸らへんに手をあてがわれる。



『…っ……』


「どう?触った感想は」


『……別に…』



手から那津の少し速い鼓動が伝わってくる。
那津の体温を直接感じて、自分の身体もまたそれに
呼応するように熱さを増す。


(…ゴツゴツしてる……何か変な気分…)


本当の事など言えるはずもなく、芽依はただ頬を染めて視線を逸らした。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ