
溺れる愛
第11章 結合
その瞬間、少しだけ甘い快感がじわりと滲み渡る。
『いやっ…あっ、ん…っ』
「…今、中締まった。これ、好き?」
那津は一定のテンポで腰を打ち付けながら、芽依の胸の頂を口に含み、舌先で弾くように愛撫する。
『ちがっ、嫌いっ…んんっ』
「声…変わってきたな」
那津の言うとおり、苦痛だけだった悲鳴は
少しずつ鈍い痛みと快感が混ざった様な悶絶に変わってきている。
「…良くなってきた?」
『…ぅあっ…よ、くな…いっ』
激しく身体を揺さぶられながら、ギュッとシーツを掴んでその鈍痛に耐える。
胸元から顔を上げた那津の少し息の上がった吐息が頬をくすぐって
乾いた涙の痕をそこに作った。
(早く…終わって…!)
心の中でそう祈りながらも、自分の口からは悩ましい喘ぎ声が洩れてしまう。
信じたくなくて。
思い浮かべる俊哉の顔すらも直視できなくなる。
『ん、あぁっ!や、め…ああっ』
グイッと膝を立てられて、深く落とされると
一際大きな声をあげてしまった。
「…は…すげー締まる…」
『いや…あぁっ、だ、め…っ』
腰を少し浮かされた体勢で、シーツを握っていた手を離して
無意識に那津の首にすがりついてしまう。
『あぁあ…おく…だめっ』
この時、もう既に痛みは感じて居なかった。
