溺れる愛
第13章 疑惑
那津の抱えているものが何なのかは知らない。
だけど、だからと言って都合良く利用され
それを受け入れてしまった自分を直視出来ない。
結局はそれだけの関係。
それ以上も以下も、那津の言う通り無いのだ。
たとえ、意味ありげな事を言われても
期待してはいけない。
────好きになるな────
そう拒絶されている以上、これ以上は踏み込めない。
やはり那津が自分に心を許しているとは思えなかった。
そうこうしているうちにゴミ出しから帰ってきた2人を交えて
簡単な打ち上げをした。
そして、日も暮れて
和人の車で駅まで送ってもらい
「また連絡するわね!
なっちゃん!しっかり芽依ちゃんをお家まで送るのよ!」
「あぁ。わかってる。」
「また必ず会いましょうね」
『はい!色々お世話になりました』
大きく手を振って見送ってくれている波瑠と和人を背に
那津と芽依は改札をくぐった。