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溺れる愛

第17章 社会人編スタート




一通りショッピングを終えた私達は、有名な少しお高いホテルのランチを楽しんでいた。



「ん~!この鴨のロースト、美味しぃ~!」


『本当、口の中でとろけちゃうわね』


ギュッと目を瞑って、頬に手を添えて美味しいとはしゃぐ菜々子ちゃんはやはり仕草まで完璧な可愛さだ。


年は4つも下の彼女だけど、こういうところは本当に尊敬している。

私も昔は…こんな風に出来てたのかな?
もうあんまり思い出せないなぁ…。


自分の事は全然なのに、那津の事はハッキリと覚えていて、また自嘲気味に笑みと溜め息がこぼれる。


「ねぇ先輩!今度合コンしませんか?」


『合コン?菜々子ちゃん彼氏がいるじゃない』


「それとこれとは別です!彼氏は彼氏!
合コンは必要な社交辞令です!」


社交辞令って…なんだか使い方を間違えている気がするよ…。


「先輩、せっかく美人なのに勿体ないです!
別に本気にならなくてもいいし、息抜きくらいな感覚で
たまには男の人と触れ合わないと、先輩本当に干からびちゃいますよ?」


『うぅーん…それはそうだけど…。
でも菜々子ちゃんの知り合いだとしたら
私一人だけ凄くおばさんじゃない?』


「そこは大丈夫です!幅広い年齢層を用意出来ますし
それに先輩、全然おばさんなんかじゃないです!
私、こう見えてもお世辞言わないんですよ?」


『確かに…菜々子ちゃん、何でもハッキリ言っちゃうもんね』


「はい!それに私、不細工な人は嫌いなんで!」


『こらっ…!そんな事大声で言っちゃダメよ』


菜々子ちゃんのキツい一言に、周りの視線に冷や冷やしながら窘める。

こういう所はまだあどけない少女のようで
面倒見があって可愛いなとさえ思う。



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