溺れる愛
第3章 喪失
そんな芽依の様子に構うことなく、那津は更に続けた。
「何度も言うけど、お前の利用価値は身体だけだ。
それ以上になる事は無い。」
無意識に身体が小刻みに震え、滲んでいた涙が溢れ、一筋の線が頬を伝う。
「俺が飼い主。お前は俺にいいように飼われてりゃいいんだよ」
(そんな…の……)
「いちいち難しい事考えてんなよ。俺に言われた通りにしてたらそのうち解放してやるから。」
那津の指が、芽依の涙を掬う。
「その代わり、すげぇイイコトしてやるから。
お前もそのうち良くなるって…
な?俺に与えられる快感に、お前はただよがってたらいいんだよ…」
(この…)
『…最低……』
震える声で、やっと吐き出した那津への抵抗だった。
涙目で、震える身体で、精一杯那津を睨む。
そんな芽依を那津は心底楽しそうに眺め、芽依の涙で濡れた指をペロッと舐めて
「いいねぇ…その顔…。
絶望感たっぷりのその表情。ゾクゾクする…」
ニヤリと笑う那津の顔が、芽依にはまるで悪魔の様に見えた。