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溺れる愛

第18章 久しぶりのときめき




面白くなりそうって…何が?


「あ、あとさ。今日俺の誘いに乗ったのはなんで?」


『え…?それは、大事なお客様のお誘いを、初めからお断りするのは失礼かと思いまして…
それに、改装の件でお話があると仰ってましたから…』


「ふーん、そっか。
真面目だね、芽依ちゃんって」


『あの…さっきから名前…』


「あぁ、だって新井さんってなんか堅くない?
俺の事も誠司でいいよ?」


『えっと…いえ、遠慮しておきます…』


「ははは、やっぱり面白いね!君!」


芽依ちゃんとか君とか…さっきから何なの?

キャラが変わりすぎて着いていけない…!

これが本当の田所さんって事なんだよね?


戸惑う私に、田所さんはまた含み笑いをして
そのまま椅子から立ち上がると、小さな声でこう言った。


「もうすぐ…面白い事が起きるから。
楽しみにしてて」


『面白い事?』


「まぁそれはその時のお楽しみにとっておきなよ。
さ、そろそろ帰りましょう。新井さん。」


あれ…最後の方はまた新井さんって…
もしかしてこれは仕事モードって事かしら?


『はい…』


なんだか怪しい空気が漂う田所さんの不敵な笑みに
少しだけ身体が強張ったまま、その広い背中の後ろを歩いた。


面白い事って…何なんだろう…

それにあの含み笑い…


私は一抹の不安を胸に抱えて、田所さんにエスコートされながらレストランを後にした。



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