溺れる愛
第18章 久しぶりのときめき
泣いたのなんて…あの日以来だな…。
最後に、那津の部屋に行った帰り。
波瑠さんは那津に口止めされているらしく
私に居場所さえ言えない事を申し訳無さそうにしてくれてたけど
その時点で生きてるって事なのに。
なのにこんなにも不安だったなんて…。
本当に…もう忘れられているかもしれない。
だけど…多くは望まないから
ただもう一度
一目でいいからあなたに会いたい。
冷たい無表情でも構わないから。
あ…でも、少し欲を言えば
もう一度
あなたの声で“芽依”と呼ばれたい…。
私はまだこんなにも…あんなに酷くて
憎くてたまらなかったあなたを愛してる…。