溺れる愛
第18章 久しぶりのときめき
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わぁ…大々的に置かれてる。
休日の今日。私は朝一番で本屋に来ていた。
センターを陣取るように何冊も重なって置かれた本の山は、那津の八年ぶりに出版したと話題の本。
ポップには、謎のベストセラー作家レオンと書かれていて
那津の素性は、どうやら謎に包まれているらしい。
さっきから何人もの人がそれを手にとってレジへ向かっていく。
きっと、みんな待ってたんだろうな…。
私も、そこに近付いて手にとってみる。
『溺れる…愛…?』
本のタイトル…那津が考えたの?
そうだよね、作者だもんね…。
だけど、那津の口から“愛”だなんて…
なんだか想像つかないな。
那津の昔の本も探してみたけれど、今は置いていなかったらしく
結局最新刊だけを買うことになった。