溺れる愛
第18章 久しぶりのときめき
じっくり静かに那津を感じたくて
足早に家に帰った私は、そのままリビングで
那津の書いた本を熟読する。
プロローグから一文字も逃すことなく目を這わす。
文章がとても独特で…そこから博学な事が窺える。
一度も目を離すこともしないまま、ご飯も食べるのも忘れて
気がつけば夜になっていた。
そして、エンディングを迎えた時
その最後の一文に、気がついたら泣いてた。
“誰よりも愛して、誰よりも傷つけた”
那津……愛して……くれてたの…?
だってこれは…私と那津のお話だよね…?
今でも…私を覚えていてくれてるの…?