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溺れる愛

第19章 思っていた以上に




その人も、私と同じように

私を見て固まっていた。



お互いしばらく動けずに無言で見つめ合って。


隣で田所さんがクスッと笑った声だけは聞こえて。



だけど、早鐘を打つ心臓がうるさくて


息が苦しくて


涙が出そうで



思わず私は



『初めまして…新井と申します』



そんな事を口走っていたんだ。



すると、その人も



「どうも…森山です」



って言った。



やっぱり……那津なんだね……。



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