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溺れる愛

第22章 あの頃の君は




そして…諦めの悪い俺は
お前に携帯を残して消えたんだ。


俺さ、力を手に入れるために

今度こそちゃんと芽依を手に入れるために


大事なものを、今度こそ守りたくて

親父の言いつけを破って東京に戻ったんだ。


その時に、婚約も破談にした。


まぁ相当怒り狂った義母は
本気で俺を殺そうとしたよ。


俺は脇腹を刺されてしばらく入院した。


その時思ったんだ。


親父の会社なんていらない。

自分で自分の居場所を作る。

力を手に入れる。


そう決意して、いつも隣に居てくれた誠司に連絡をとった。


あいつは二つ返事で賛成してくれて…

そこからはがむしゃらに勉強して
2人で何日も寝ずに起き続けた事もあったし

でもさ、なんか充実してて…


何かの…誰かの為に必死になるのって
悪くねえなって思った。


大学を卒業して、俺はすぐに家を出た。


この時、初めて親父に反対されたんだ。

義母も、何故か反対した。


多分、いい駒が無くなるのが嫌だったんだろう。

輝之の補填を俺にさせたがっていたからな。


だけど俺は、縁を切るって一言、言って

親父の会社に対抗出来るくらい
でっけー会社にする。


その一心で誠司と一緒にここまでやってきた。


それまで…1日たりとも芽依を忘れる事はなかった。


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