溺れる愛
第22章 あの頃の君は
おっさんの言葉が心にずっと響いててさ…
伝えたい相手
それは俺にとって芽依だったから…。
だから俺はまた筆をとって、八年間
ずっと書き続けてきた。
俺の拠り所みたいなもんだったかな…。
普通のジャンルでもいいんだけど、
官能小説だと、割と自由が利くだろ?
男なんてそんなもんだしさ。
誠司にも、この話は少しだけしたんだ。
そしたらあいつ、その子を迎えに行けって。
だけど、俺にそんな資格はねぇし
だいたい芽依が俺を覚えてる保証もなかったら
居場所さえわかんなかったわけだろ?
だけど…俺たちはプログラマーなんだ。
だからハッキングしたりするのなんて…正直お手のものでさ…。
誠司は多分、俺が芽依に残した携帯をハッキングしてGPS機能をONにしたんだ。
そして、芽依の居場所を突き止めた。
俺もさっき、同じ事したから…
多分そうだと思う。
芽依が東京に居ることがわかったから
誠司は…俺のために必死で芽依と引き合わせてくれたんだと思う。
なんか…巻き込んで…ごめん。