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溺れる愛

第24章 少しずつズレる歯車




「先輩、最近なんだか綺麗になりましたね。
もしかして彼氏でも出来ましたか?」


『んぐっ…!ごほっ…』



今は菜々子ちゃんとランチに出掛けていて
突然の鋭い突っ込みに、私は盛大に咽せてしまった。


『ど、どうしたの急に。
綺麗にもなってないし、彼氏なんていないわよ』


「えー、本当ですかぁ?
私のレーダーが物凄く反応してるんですけどねー」


『ふふ…壊れているんじゃないかしら?
そのレーダー』


「え!そんなはずないのに!
修理に出さなきゃ!なーんて、あははっ」



ふぅ…上手くごまかせたかな…?


相変わらず菜々子ちゃんは鋭くてヒヤヒヤしちゃう。


信用していない訳じゃないんだけど…

那津との約束だから、ごめんね…。


いつか話せる時が来たら、一番に話すから。


いつもさり気なく気にかけてくれて
本当に感謝してるんだよ。



恋も仕事も友情も

全て順調と言えば順調で

本当に那津の言うような事が起きるのか。

もう何もないんじゃないかと思えてくる。


『今日はこのあと、またwonder landさんと打ち合わせがあるから、菜々子ちゃん宜しくね』


「はい!次は確か客室の改装でしたっけ?」


『ええ。お客様を気持ちよく迎えられる空間を作って欲しいそうよ』


「あ、また担当は田所さんですか?」


『どうかしら…行ってみないとわからないわね』


「久しぶりに会いたいなー!イケメンは目の保養になりますから!」


『ふふ…菜々子ちゃんったら』


私達は和やかな空気でランチを終えて
那津の会社へ向かった。



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