
溺れる愛
第27章 始まりのさよなら
『俺を信じろって…そんなの無理に決まってるでしょう?
目の前であんなに違う人とベタベタされて…。
挙げ句の果てにはこの仕打ち?
本当に有り得ないわ…』
「…っ…芽依…」
なぜだか、身体が震えた。
手を伸ばせばすぐ届く距離なのに
とてつもなく芽依が遠くに感じて…。
あぁ…芽依もきっと
こんな気持ちだったんだろうな…。
俺が沢山傷付けた。
なのに信じてくれなんて
虫が良すぎたんだ…。
俺には、そこまでの信頼は無いはずだった。
解っていたはずだったのに。
結局
俺は何も守れなかった。
何度も何度も
芽依を傷つける事しか出来なかった…
