溺れる愛
第27章 始まりのさよなら
『……もう……愛してない…』
静かにそう告げられて
俺は目の前が真っ暗になっていく様な感覚に襲われた。
「芽依……俺は…」
情けない声…。
だせぇ……
でも、なんかもう声まで震えて…
泣きそうなんだよ…
泣きたいのは芽依のはずなのに。
俺にそんな資格はないのに。
『もう、私に関わらないで。』
芽依はフラつく脚で出て行こうとする。
「那津!このままでいいのかよ!」
誠司のその言葉に、俺は反射的に芽依の細い腕を掴んだ。
「待って…!」
何を言いたいのか
考えも纏まっていないのに。
でも、もう関わらないでなんて
そんな事……言わないでくれ……。