溺れる愛
第28章 あなたの深い愛に溺れていたい
『だって……会ってしまったり
声を聴いてしまったら、決心が鈍りそうで怖かったのよ…。』
「ああ…芽依も頑張ってくれたんだよな」
すると那津はフワッと優しく微笑んでくれて
そっと私の頭を撫でてくれた。
その気持ちよさに、うっとりと目を閉じそうになる。
「だから俺も、芽依のその気持ちに応えたくて頑張った。
今度こそしっかりと真正面から
芽依を迎えに行きたかったから」
『……那津…』
頭にあった那津の手が、するりと頬に滑る。
「芽依………結婚しよう」
『………っ!』
その真剣な表情に
忘れていた涙が、今更になって溢れてきて…
私はギュッと那津の首に腕を回してしがみついて
『うん…っ!する!』
と、泣き笑いで返事をした。