溺れる愛
第28章 あなたの深い愛に溺れていたい
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あれから一緒にスーパーへ行き、夕食の材料などを買ってから
今度は那津の家にお邪魔した。
なんかね…一言で言うとお屋敷。
もうね、敷地が広すぎて、どこまでが那津の所有の土地なのかわかんないの。
那津いわく、裏の森一帯も…とか恐ろしい事言ってたけど…。
もしかしたら私、とんでもない人に嫁ごうとしているのかしら…。
『こっちで和食なんて、自分で作らない限り滅多に食べられないわよね』
「ああ。でもこれからはもう心配いらねぇな」
『ふふ…そうね。頑張らないと』
なんか……何この甘ったるい感じは…。
照れる。
物凄く照れるけど…嬉しい。
今更になって、まだ夢見心地な気分だったけれど
もう那津と離れなくていい。
そう思ったら…胸がじーんとしてきた。
私はそれを隠すために、キッチンで料理をしているふりをして
少しだけ嬉し泣きしたんだ。