溺れる愛
第29章 エピローグ
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「せんぱーーい!!おかえりなさーい!」
『菜々子ちゃん!ただいまぁー!』
空港に着くなり菜々子ちゃんの熱い抱擁で出迎えられて
私も走ってかけよってその華奢な身体に抱きついた。
「久しぶりだね、芽依ちゃん」
『田所さん!お久しぶりです』
私がはしゃぎながら二人と話していると
後ろから那津が気だるそうに歩いてくる。
もう、本当は嬉しいくせに。
「誠司、とりあえず疲れた」
「ああ、近くのレストランを予約してあるから
そこで少し休もう」
「あ、ねぇ誠司さん。先輩達の荷物はどうするの?」
「ああ、それならもう手配してあるから──」
ん…?
何か今、すっごい違和感を感じたんだけれど…?
「菜々子、荷物運ぶの少し手伝ってもらえる?」
「うん、もちろん!」
二人になんだか、華やかなオーラが見える…
って!!!まさか!!!
『ね、ねぇ!二人、もしかして…』
私の言葉に田所さんはニヤリと笑って
菜々子ちゃんは少し頬を染めながら
「はい、付き合ってるんです」
え…
え─────────!?