溺れる愛
第29章 エピローグ
私が口をパクパクさせて驚いていると
那津が軽く頭を小突いてくる。
「ビックリしすぎ。聞いてなかったのかよ?」
『え、初耳よ!ていうか那津は知っていたの?』
「ああ、誠司から聞いてた」
そんな…私だけ知らなかったなんて。
「ごめんなさい、先輩。
驚かせようと思って、黙ってる様に頼んだんです」
菜々子ちゃんが可愛く微笑んできて
私はなんだか嬉しくて仕方なくなってきた。
『そっかぁ…良かったね!幸せにしてもらいなよ』
「はい!私も先輩にならって無事、玉の輿に乗れます!」
『ふふ、菜々子ちゃんったら』
女子二人でコソコソ話していると
田所さんに呼びかけられて
私達はクスクス笑いながら那津と田所さんの後ろを歩いて
馴れ初めなんかをキャーキャー言いながら話していた。
ああ…日本の空気は美味しいなぁ。
この感じ
やっぱり落ち着くなぁ。