溺れる愛
第29章 エピローグ
田所さんが予約してくれていたお洒落で豪華なイタリアンレストランで
お昼のランチコースを四人で囲みながら
他愛もない話で盛り上がる。
なんだか見慣れたようで見慣れないその光景が
私にとっては凄く新鮮で嬉しかった。
菜々子ちゃんと田所さんは、お互いに抜け目のない性格だし、何かと気が合うみたいで
私がニューヨークへ転勤してすぐに交際が始まったらしい。
その時に那津も知っていたのだとか。
皆がそれぞれの道を進み始めていて
そこには光と希望が満ち溢れているようで
私はこの上ない幸せを噛みしめていた。
「ところで、輝之くんの準備はどう?」
「ああ、大方決まったみたいで、後は本番を待つだけだ」
『?』
何の話をしているのかイマイチ解らない……。
戸惑う私に、那津が忘れてたと言わんばかりの態度で教えてくれた。
「輝之とまりあの披露宴パーティーがあるんだよ。それに招待されて今回帰国したんだ」
『え!そうなの!?』
「芽依にも招待状届いてたから。あとそこの二人も」
そんな!
聞いてないよー!
何の準備もして来なかったよ。