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溺れる愛

第5章 階段





「なぁ。お前まだ時間ある?」



『え?うん、大丈夫だけど…』



しばらく母は夜勤続きで、父の出張も長期間なので夜は一人だった。



「じゃあ俺ん家来て」



(家…って、ちょっとそれは…)


『えっと…それは無理』

「お前に拒否権は無い」


間髪入れずに拒否を許さない那津の声は
いつものあの冷たい声音で


(やっぱり、これが本当の姿なんだよね)


芽依は半ば諦めて、渋々那津の家へと向かった。



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