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百合短編集

第1章 絵を書いて

それから二日後の放課後のことだった
保科は佐竹の教室に訪れた

「いまから一緒に絵描かない…?二人きりだからさ、その…」

「…いいですよ…」

そっけない返事をし佐竹は自分の鞄を持って美術室に向かった

「あ、まって佐竹さん…」

保科は佐竹に追いつくと

「ヌードとか…スケッチしない?」
小声でそう伝えた

「ヌード……」

「嫌ないらいいんだけど…ずっとやりたかったの…」

「なんで私なの?」

「それは…佐竹さんに書いてもらいたいと思ったから…」

「あの原稿見ちゃったんでしょう?それでもなの?」

「そんなの関係ない
ただ単に佐竹さんに惚れたの
佐竹さんが好きなの」

「え…」

「返事はいい
わかってるから
今日だけヌードやらせてくれたら諦める
だからおねがいっ」

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