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姉さんに夢中

第25章 言えない幸せ

「あぁ・・誰かやらせてくれねぇかなぁ・・」

昼休みの教室の片隅。

貴斗の隣の席で、顔を机に突っ伏していた正也が小さな声で呟いた。

「なぁタカ・・女ってどんなかなぁ?気持ちいいんだろうなぁ・・」

「あ?知らねぇよ・・何だよ突然・・」

勿論本当は知っているが、貴斗は童貞を装っている。

「俺もお前も、いつまでも右手が恋人って訳にはいかねーじゃんってことだよ・・ああ誰でもいいからやりてぇ・・」

誰でもいいなんて、ダメな奴だ・・

呆れているとクラスメートの奈々美が近づいてきた。

「何の話してるの?私もまぜてよ」

「おっ!いいところに!あのさぁ、奈々美って今日ヒマ?」

正也が机から体を起こして興奮気味に奈々美に訊いた。

おいおいマジか?
・・って、正也?おいその顔・・

「うん・・ヒマだけど何?」

「俺とデートしない?」

いきなりかよ!

「ヒマだけどヤダ!・・何か身の危険を感じる顔してるから・・」

だよね・・
俺も驚いたわ・・

「あぁ?」

「何であんたとデートしなくちゃいけないの?貴斗とならいいけど・・」

へ?・・俺?

いきなり話を振られて一瞬驚いた。

「なんだよ・・お前もタカ狙いかよ・・シッシッ!もうあっち行けよ!ほれ、シッシッ・・」

「訳わかんない・・バカ正也!」

奈々美が怒ってその場を離れた。

「タカ・・お前がその気になればやり放題だぜ?いいなぁモテる奴は・・」

正也がまた机に突っ伏していた。

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