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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第3章 初夜。

「剛史」
「気に障ったなら、許してくれ。でも、俺はお前に伝えたいんだ。何でも悪い方にばかり考えるのは止せ。親父さんとお袋さんがお前を連れていなかったのは間違いなく、まだ幼いお前を死なせるのは可哀想すぎると思ったからだ。お前なら、どうする? お前の両親と同じ立場になったとして、五歳の娘を無理心中の道連れにできるか?」
 長い長い沈黙があった。美奈恵は気の遠くなるような時間の後、ポツリと〝無理〟と呟いた。

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