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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第4章 逆らえない恋心

 会話の端々から、二人は何かアニメの話に夢中になっているしい。愉しげに笑いさざめきながら、美奈恵と剛史の側を通り過ぎていった。
 剛史が大きなランドセルを背負った小さな後ろ姿を見送りながら言った。
「あの頃から長い年月が経ったな」
 美奈恵も彼に倣って立ち止まる。小学生たちが坂を下りて智積院の角を折れて見えなくなっても、二人はまだその場に立ち尽くしていた。

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