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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第4章 逆らえない恋心

 美奈恵が控えめに断ると、剛史は今度はレジの女の子に言った。
「あの指輪見せて貰えます?」
 どうも〝営業時〟ではない剛史は、あまり若い女の子に愛想が良くはない。むしろ極めてぶっきらぼうにさえ見える。
「あ、はい」
 背の低い女の子が頷き、ショーケースの鍵を開けてガラス棚から指輪を出した。深紅のビロード張りの箱に入ったそれを剛史に差し出してみせる。

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