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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第4章 逆らえない恋心

 依然としてよそよそしい沈黙は続いている。美奈恵は何か悪いことをしてしまったような気持ちでよく味の判らないオムライスを食べた。
「偽物でも良い。せめて夫婦でいる間だけで良いから、そのリングを填めてくれないか」
 振り絞るような口調に、美奈恵は胸をつかれた。
「判った」
 小さな袋からビロードの箱を出し、買ったばかりのイルカの指輪を填めた。

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